その他・皮膚科疾患

乾癬

乾癬は炎症性角化症のひとつに分類される疾患で、赤い斑の上に厚くふけのような鱗屑が厚くこびりついているような疾患です。1,000人に1人ぐらいの発症頻度があります。乾癬は慢性の疾患ですので、治療を行って完治することは難しいです。よって、なるべくリスクの少ない治療でコントロールできればと考えています。

<乾癬の種類>

① 尋常性乾癬
② 膿疱性乾癬
③ 関節症性乾癬
④ 適状乾癬
⑤ 乾癬性紅皮症

<乾癬の原因>

乾癬の原因はまだ完全にははっきりわかっていませんが、乾癬になりやすい遺伝的素因があることがわかっています。遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活、食事、ストレス、肥満、感染症、薬剤)などが加わると発症することがいわれています。

<乾癬の治療>

軽症例:外用療法のみで治療します。

中等症~重症例:外用療法に加え、光線療法(ナローバンドUVB治療など)、内服療法(シクロスポリン、レチノイド、メトトレキセート)、生物学的製剤などの全身療法が併用されます。

1)外用療法

ステロイド外用剤と活性型ビタミンD3外用剤があります。これらを組み合わせて治療を行います。

○ステロイド外用剤

ステロイド外用剤は効果発現が早いため、初期治療として取り入れます。皮疹が改善してきましたら、活性型ビタミンD3(VD3)外用剤のみの治療へ移行します。

○活性型ビタミンD3外用剤

活性型ビタミンD3(VD3)外用剤は効果発現は遅いのですが、長期外用により副作用が少ないので、病初期は活性型ビタミンD3(VD3)外用剤とステロイド外用剤を両方使用し、寛解維持期の治療には活性型ビタミンD3(VD3)外用剤のみ使用します。

○ステロイドと活性型ビタミンD3(VD3)の配合外用剤

1日1回の塗布でステロイド外用剤と活性型ビタミンD3(VD3)外用剤の双方を外用する手間がはぶけます。

症状が強い時期に使用し、よくなってからの寛解維持期には活性型ビタミンD3(VD3外用剤)単剤に変更します

2)光線療法

※光線治療は当院では行っておりませんのでご希望の方、治療をうけた方がよいと思われるかたは紹介させていただきます。

○ナローバンドUVB治療

乾癬治療には紫外線(UV)の照射が効果があり、長い間使われてきました。

紫外線の中でも中波長紫外線(UVB, 波長域290-315nm)は乾癬に特に効果がありますが、日焼けするなどの問題点があります。

ナローバンドUVBは、このUVBの中の非常に幅の狭い波長(311±2nm)の紫外線です。このナローバンドUVBを治療に使うことによって、日焼けを最小限に抑えて、高い治療効果を発揮することができます。

3)全身療法

※シクロスポリン、レチノイド、メトトレキセート、生物的製剤による治療は当院では行っておりませんのでご希望の方、治療をうけた方がよいと思われるかたは紹介させていただきます。

○シクロスポリン

乾癬の発症や悪化の原因の1つに免疫作用の過剰な働きがあげられます。シクロスポリンは過剰な免疫作用を抑えるお薬です。主な副作用として血圧上昇、多毛、腎機能障害などが報告されており、定期的な血圧測定と血液検査が必要です。

○レチノイド

ビタミンAの誘導体で、表皮の過剰な増殖を抑えます。胎児に影響を与えるおそれがあるため、服用中だけでなく服用中止後も、男性は6ヵ月、女性は2年の避妊が必要です。

○メトトレキセート

乾癬には保険適応外ですが、難治性乾癬、特に関節症性乾癬に用いられます。長期使用では肝機能障害が問題になります。

○生物学的製剤

免疫に関わる物質の働きを弱めて乾癖の症状を抑えるお薬です。現在、皮下注射と点滴の2種類があります。なお、生物学的製剤による治療は、これまでの治療で効果が見られない患者さんが主な対象となります。以下の製剤があります。

・アダリムマブ(ヒュミラ)
・インフリキシマブ(レミケード)
・ウステキヌマブ(ステラーラ)