掌蹠膿疱症について
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、たくさんの膿疱(膿の溜まった水ぶくれ)が、手のひらや足の裏にあらわれる病気です。周期的に良くなったり、悪くなったりします。掌蹠膿疱症を発症すると、最初に生じた小さな水疱が徐々に膿疱へと変化し、暫くするとかさぶたになって剥がれ落ちる現象を、次々と繰り返します。重症な場合では、膝やすねにも赤い皮疹が出たり、皮膚が厚くなり痛みを伴うひび割れが生じたりといった症状がみられるようになります。掌蹠膿疱症の症状を抑えるためには、原因と考えられる感染部位があれば、その治療を行います。ステロイドの塗り薬や内服薬を用いることもあります。
掌蹠膿疱症の原因
掌蹠膿疱症の原因は、現段階では明白ではなく、膿の中に細菌や真菌(カビ)などの菌がいるということはありません。患部から人にうつったり、体の他の部位に感染したりすることもありません。しかし、副鼻腔炎や扁桃炎、歯周病などの感染症、あるいは金属アレルギーや喫煙も掌蹠膿疱症の原因に関わっていることが知られています。
掌蹠膿疱症の診断について
掌蹠膿疱症の症状は見た目が特徴的なので、一般には視診で診断します。ただし、細菌感染の可能性がある場合は、細菌培養検査を行います。掌蹠膿疱症は水虫の症状にも似ていることから、水虫の原因である「白癬菌」の有無を角質採取により検査することもあります。さらに、骨などに異常がないか調べるため、X線やMRIでの画像を用いて診断する例もあります。
掌蹠膿疱症の治療方法
外用療法
掌蹠膿疱症を発症したら、主にビタミンDやステロイドの塗り薬を患部に塗って治療します。外用薬を塗る時に強くこすると刺激で悪化してしまう原因になりますので、適量をやさしく塗るようにします。
内服療法 生物学的製剤
掌蹠膿疱症の治療に内服薬を用いる場合には、ビタミンA誘導体や免疫抑制剤の使用、さらに、ビタミンHも有効であるといわれています。重症例には生物学的製剤を使用することもあります。ヒト型モノクローナル抗体で、掌蹠膿疱症の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害します。既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症に対して効能・効果を有する、日本初の生物学的製剤です。
光線療法(紫外線療法)
外用療法や内服療法で掌蹠膿疱症の症状が改善されなければ、光線療法という選択肢もあります。専用の機械を用いて、週1回程度、患部に紫外線(UVA)を照射します。光線(紫外線)の皮膚免疫の働きを弱める作用を利用し、掌蹠膿疱症の進行を防ぎます。腎障害や肝障害があると、一般では内服治療が出来ませんが、✓光線療法(紫外線療法)光線療法(紫外線療法)の詳しい説明はコチラから>光線療法はそのような患者様にも使用でき、比較的安全な治療法といえるでしょう。外用療法と併用することが多いです。

日常生活での注意
掌蹠膿疱症の発症には、一部の感染症が関与すると考えられています。まずはそれらの感染症を予防するための規則正しい生活、手洗い・うがい・こまめな歯磨きなどを心がけましょう。扁桃炎や歯周病を発症したら、慢性化しないよう、治療をしっかりと行うことも重要です。また、歯科金属の金属アレルギーや長期の喫煙も、直接ではなくとも掌蹠膿疱症に関わるとされています。禁煙するなど、日常生活で避けられるものは意識すると良いでしょう。
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