サブシジョンとは、ニキビ跡などでへこんでクレーター状になってしまった皮膚の下の固く癒着した組織を針で切り、陥没した組織をもちあげる治療です。癒着により、皮膚の表面が下に引っ張られているので、それを切ることで、下に引っ張られた組織が上に上がり、凹凸を減らすことができます。さらに、切った組織が再生する過程で、よいコラーゲンが増えていってへこみを押し上げるので、皮膚がなだらかになります。

ニキビによる慢性的な炎症が続くと、線維化と言って皮膚の下の組織が固くがちがちになってしまいます。ニキビ肌の方の皮膚が固く厚ぼったくなるのはこのためです。この線維化が局所的に強く起こると、クレーターのように面で凹凸が目立つようになります。

深く局所的なニキビ跡のへこみはダーマペンだけで治すのは難しいことがあります。そのときに活躍するのがサブシジョンです。

具体的な治療原理の説明
  • 原因:ニキビ跡の凹凸は、皮膚の下で固く癒着した組織が皮膚を引っ張ることで生じます。
  • 治療方法:サブシジョンでは、医療用の針で、真皮と皮下組織の間にできた線維化した組織を切ることで浅い皮膚組織が上がります。
  • 効果:組織を切断することで、皮膚を引っ張っていた力が解除され、凹凸が改善されます。また、切断された組織が再生する過程で、空いた空間に新たな組織が形成され、凹みを上に押し上げます。
  • 適応:特に、クレーター状の凹みが広い範囲にわたる「ローリング型」のニキビ跡に適しています。
  • 注意点:施術後に赤みや腫れ、内出血が生じることがありますが、数日程度で落ち着きます。
  • 併用:ヒアルロン酸の注入と併用すると、より効果が期待できます。
    サブシジョンで開けた空間をヒアルロン酸やPDLLA(ポリ-DL-乳酸)(バイオスティムレーター)で埋め、皮膚浅層が上がった状態を保つことができますので、効果が高まります。
    また、リジュランSなどのポリヌクレオチド製剤を注入することで、創傷治癒治癒機転を高め、よいコラーゲンを増やすことにより、効果が高まります。
施術費用の目安

局所麻酔をかけてから、針で皮膚に穴をあけ、そこからカニューレでニキビ跡のへこみの下に広がる線維を切断していきます。2cm四方で22,000円(税込)の価格で治療を行っています。範囲が広い場合は、治療の範囲を合算した価格になります。

サブシジョンの施術で期待できる効果

サブシジョン単独で治療を行う方法と、ヒアルロン酸注入を同時に併用する方法があります。サブシジョンと同時に併用する場合は、ほうれい線などの通常のヒアルロン酸注入とは異なり、柔らかいヒアルロン酸をサブシジョンで開けた空間に流し込み、凹んだ皮膚を上に持ち上げると同時に、サブシジョンで開けた空間が癒着で再度閉じてしまうのを防ぎます。

ヒアルロン酸を併用するとサブシジョンの1回あたりの効果を上げることができます。ヒアルロン酸自体は半年ほどで体に吸収されてなくなりますが、その間に自分の組織がヒアルロン酸を足場にしてできると言われているため、半年経ってもその効果が完全に消失するということはありません。ニキビ跡の凹みが強い場合にはヒアルロン酸併用の方法を推奨しています。

  1. サブシジョンを行う場所にはカニューレを使うので、カニューレを入れる場所に細い針で局所麻酔をかけます
  2. 局所麻酔のかかった部分に針で小さな穴を開けます
  3. 針穴からカニューレを挿入し、皮膚の下のニキビ跡で硬い組織を切ると同時に、麻酔薬を注入していきます。
  4. 硬い組織をはがして、空いた空間にヒアルロン酸を注入していきます。
サブシジョン(3×3㎝)1回22,000
麻酔代別途 +3,300円
カニューレ代別途+2,200円
サブシジョン+ヒアルロン酸(3×3㎝)1回44,000円
麻酔代別途 +3,300円
カニューレ代別途+2,200円

(表示価格は税込です)

3x3cm22,000
麻酔代別途 +3,300円
3x3cm+ヒアルロン酸44,000円
麻酔代別途 +3,300円
  • 妊娠中の方
  • 血をサラサラにする内服薬を使用中の方
  • ケロイド体質の方

サブシジョンはどのくらいの間隔で治療を受ければいいですか?

1回で十分な効果が出れば一度で治療を終了することもあります。
3回程度、1ヶ月ほど間隔をあけて治療を繰り返す場合もあります。4か月に1回ずつ繰り返すこともあります。治療効果をみて、回数や間隔を決めます。

サブシジョン単独でニキビ跡の治療は可能ですか?

表面の赤みがあれば、Vビームを組み合わせることもあります。
深いニキビ跡にはサブシジョンを使って治療することが多いですが、ほかのニキビ跡の治療と組み合わせるとより有効です。表面のへこみにはダーマペン、ニキビ跡の赤みにはVビーム、と症状によって施術の組み合わせは変わります。
深くへこんだニキビ跡では、サブシジョンとヒアルロン酸注入を組み合わせることもあります。1箇所や2箇所など限られた深いニキビ跡の場合には、切除する方が有効な場合もあります。

サブシジョン|うえだ皮膚科内科八田院|名古屋市中川区