薄毛の種類
Type
薄毛・抜け毛には以下の種類があります。
男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症(AGA エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことで、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。

髪の毛1本1本には寿命があります。伸びては抜け、また新しく生えることをくりかえしています。毛包は、「成長期」「退行期」「休止期」のいずれかの状態にあり、このうち成長期が一番長く、通常2~6年続きます。しかしAGAの人は成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。よって、髪の毛が十分に育たないうちに抜けてしまします。AGAの人は全国で約1,260万人と多く、20~69歳の成人男性4200万人の約3人に1人は何らかの症状が認められています。進行性ですので何もせずに放っておくと髪の毛の数は減り続け、徐々に薄くなっていきます。そのため早めのケアが大切です。
AGAの原因
AGAの脱毛部にはDHT(ジヒドロテストステロン)が高濃度にみられ、これが毛の成長期を短くする原因物質と考えられています。成長期が短くなることにより、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまいます。十分に育っていない細い短い産毛のような髪の毛が多くなると全体として毛が薄くみえるようになります。このDHTは5a一環元酵素という酵素によってテストステロンから作られます。毛乳頭や皮脂線には5a-リダクターゼという酵素が存在し、この酵素の還元作用でテストステロンは5a-DHAに変化するのです。
若い男性の睾丸ではどんどんテストステロンが作られます。これが毛乳頭と皮脂線で多量の5a-DHAに変化し、毛母細胞に運ばれます。5a-DHAは毛母細胞が細胞分裂するときに起きるタンパク合成を邪魔し、別のタンパク合成をすることにより、細胞分裂が止まってしまうのです。そのために早々と毛母と毛乳頭が離れてしまい、本来なら最低でも2年ある成長期が半年か1年で退縮期から休止期へと移行してしまうのです。
さらに、この5a-DHAにより毛母も弱り、休止期を過ぎれば新毛の発生する力も弱くなってきてしまいます。こうなると重症です。早く治療を始めなければ、毛母は仮死状態になってしまいます。禿る人と禿げない人との違いは、テストステロンを5a-DHAに変える5a-リダクターゼという物質の体内での生産量の違いということになります。禿が遺伝するというのも、この5a-リダクターゼが多く生成されるという体質が遺伝するということではないかと言われています。
女性が禿げない、または薄毛程度でとどまるのは、テストステロン分泌量が男性に比べて極めて少ないからとされています。女性の男性ホルモン分泌量は男性の1/20ぐらいであり、この程度だとそれほど大きな脱毛に進まないのです。
AGA(男性)におすすめの治療
デュタステリド(ザ・ガーロ)/ビビスカル プロ/エクソソームヘア/ドット・ヘア / ペロバーム(シャンプー)
女性型脱毛症(FPHL)
女性型脱毛症(FPHL)とは、女性に発症する薄毛の総称で、頭髪全体が細く薄くなるのが特徴です。男性型脱毛症(AGA)とは異なり、部分的に脱毛が進むのではなく全体的に薄くなるのが特徴です。当院では女性型脱毛症の治療を開始する前に血液検査を実施して基礎疾患の有無を確認しています。例えば膠原病や甲状腺機能に異常がある場合など、抜け毛を起こす全身疾患が隠れていることがあるからです。女性型脱毛症は、進行がゆっくりなため、初期症状が見過ごされやすいという特徴があります。女性ホルモンのエストロゲンは髪の成長をつかさどるホルモンです。このエストロゲンが体内から減少することで薄毛、抜け毛が進行します。また、女性ホルモンが減少することで、男性ホルモンが優位になり、より薄毛、抜け毛が進行します。
原因
女性型脱毛症の原因はまだ明らかにはなっていません。関連がある要因として考えられることを以下に記載します。
- 加齢
- 遺伝(家族歴)
- ストレスや疲労
- 喫煙
- ダイエット
診断
女性型脱毛症は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ったり働きが低下することで薄毛になりやすくなります。AGAと違ってFPHLは頭髪全体が細く薄くなるのが特徴です。

女性型脱毛症(FPHL)におすすめの治療
ビビスカル プロ/エクソソームヘア/ドットヘア/リポゲイン/ペロバーム/エクオール
日常生活での注意
Point
睡眠
睡眠不足は脱毛を引き起こす大きな原因になります。頭髪は夜間帯に成長しますので、しっかりとした休息、睡眠が重要です。
シャンプー
毎日の洗髪も頭皮を清潔に保つ上で重要なヘアケアになります。 AGAの方は、DHAにより皮脂分泌が増加し、頭皮がベタっと皮脂が多い状態になっています。皮脂が多いと、そこに細菌感染、真菌感染も多くなりますから、毛もより抜けやすくなってしまいます。しっかりとした洗浄力と血行促進効果、保湿成分などを配合したシャンプーを使用するようにしましょう。
生活習慣
また、生活習慣の見直しも重要です。喫煙が血管収縮させますから、当然頭皮にも悪影響を及ぼします。また、脂の多い食事やスナック菓子、清涼飲料水の過剰摂取なども毛穴を詰まらせる原因になりますので、男性型脱毛症には大敵になります。髪の毛のケラチンを育てるタンパク質やビタミンA、B、Eの多い緑黄色野菜などバランスの良い食生活を心がけましょう。