いぼには、老化によって顔、頭に多くできる脂漏性角化症、頸部・わきなど汗をかいて擦れる部位にできるアクロコルドン、ウイルス感染によってふえる足、手によくみられるウイルス性疣贅などがみられます。

アクロコルドン

アクロコルドンとは30歳ごろより頸部を中心にぶつぶつと茶色の小腫瘍がでてきます。別名「スキンタッグ」ともいいます。病理学的には軟性繊維種というもので、繊維のかたまりのようなものです。頸部に多いので、汗やネックレス、衣服の刺激が悪化因子になっていることが考えられます。感染するものではないのですが、年齢とともにふえてくるので切除を希望される方は多くみえます。

液体窒素凍結療法(保険治療)

マイナス200℃ほどの液体窒素でアクロコルドンを凍らせ、細胞を破壊します。
凍ったアクロコルドンがカサブタになり、2週間ほどかけて取れます。
1回の治療で取りきれない場合、2週間に1回ずつ繰り返します。
この治療により、健常な皮膚に炎症後色素沈着を起こすことがありますので、整容的な側面を考える時は、 炭酸ガスレーザーによる治療をお勧めしています。

炭酸ガス治療(自費治療)

麻酔注射や麻酔クリームを使用するため、治療時の痛みを軽減できます。
病変部を高精度に削り取ることができ、回復も早く、瘢痕のリスクを最小限に抑えることができます。

脂漏性角化症(老人性いぼ)

老人性いぼは、正式には「脂漏性角化症」といい、脂漏部位に多く発生します。長期間にわたり紫外線を浴び続けることで、表皮の基底細胞と有棘細胞が異常増殖することでできます。老人性いぼと言われるもので、40歳以降の中高年期に増加することの多い皮膚の良性腫瘍で、80代になるとほとんど全ての人に見られます。

顔や頭部の脂漏部位、前胸部、上背部、手足など日光の当たる場所によく見られます。日光に含まれる紫外線によって引き起こされることが非常に多いです。年齢が上がっていくと、日光が当たらないような部位(腹部、脇腹、わきの下、鼠径部、陰部など)にも脂漏性角化症ができることがあります。これは紫外線が原因ではなく、加齢による表皮の遺伝子の異常です。大きさは数ミリ~数センチとまちまちで、時間が経過するにつれて少しずつ大きくなります。茶褐色で表面は疣状であるものが多いです。

皮膚科での視診のほか、ダーモスコピーを用いた診断が行われます。
悪性腫瘍の可能性が考えられる場合は、組織の一部を採取して検査を行います。

脂漏性角化症は前がん病変ではないので、治療しなくてはならないことはありません。刺激感やかゆみがある場合、また美容の観点から気になる場合などに除去処置を取ります。

液体窒素凍結療法

-196℃液体窒素を使用します。 凍結と解凍を繰り返すことで、異常な表皮細胞を壊死させます。この治療を繰り返すことにより不要な組織を破壊します。1~2週間に1回のペースでこの治療を繰り返すことで、少しずつとれていきます。

炭酸ガスレーザーによる治療

局所麻酔を注射または外用で行い、炭酸ガスレーザーで皮膚内の水分を蒸散させ、脂漏性角化症を削っていきます。
術後は軟膏を塗布し、傷を覆います。
外科的手術よりも出血が少なく、治療後の回復が早いです。
深部組織や周辺の正常な皮膚にはダメージを与えずに治療できるので、跡が残りにくいですが、まれに瘢痕を残すこともあります。
盛り上がりは取れますが、色素沈着は完全には取れません。
基底部に細胞が残った場合は、数ヶ月から数年(長い場合5年)して再発することがあります。

アクロコルドン・脂漏性角化症(老人性いぼ)|うえだ皮膚科内科八田院|名古屋市中川区