ほくろをとりたいと希望されて多くの方が来院されます。
最近では、きずあとが目立たないようにとレーザー治療を希望される方が多くみえます。
そして、多くの方が、ほくろはレーザーできずあとも残さずとることができると思ってみえるように思います。
さて、ほくろはどんなものでも簡単にレーザー治療で治療できるのでしょうか。

それは可能なものもあれば不可能なものもあります。
まず、悪性の疑いのあるものはレーザー治療は無理です。きちんと切除しないと、再発し全身に影響をきたすことも起こりえます。また、非常に深いところまで、母斑細胞(ほくろの細胞)が存在すると、レーザーで浅くけずるだけではとりきれず、結局は深い傷をのこしてしまうことになります。ほくろはとりたいけどどのようにとるのかわからず不安だという方に当院での切除方法について理解していただけたらと思います。

まず、ほくろに悪性の所見がないかどうかをデルマトスコピーにて十分観察させていただきます。

少しでも悪性の所見が認められるときは、あらかじめ病理検査を行うなど、治療計画を厳密に立てます。その後、治療計画にもとづいて切除し、さらに病理検査を行い、とりきれているかどうか、悪性度はどの程度なのかを再評価します。このような症例では、レーザー治療の適応にはなりません。

1.手術治療

ほくろ治療の基本は手術です。ほくろは母斑細胞が集まって腫瘍を形成してきたものですから、治療の基本は切除です。病変がきちんととりきれるように脂肪組織まで含めて切除します。その後、症例に応じた方法で、できるだけ傷が目立たない方法で縫合します。さらに、病理検査を行い、病変が取り切れているかを確認します。傷あとは、手術治療では、縫合線は半年ほどは赤みが続きやや目立ちます。傷跡の状態は個人差があり、傷の大きさ、深さ、部位によって何年も傷跡が目立ったり、瘢痕になる方もあります。

2.レーザー治療

ほくろに悪性の所見がないと思われ、できるだけ傷あとの少ない治療を希望されるときに、レーザー治療を選択します。それでも全く傷あとがないというわけではありません。レーザー治療をご希望の方は美容皮膚科の炭酸ガスレーザーをご覧下さい。

  1. まず、局所麻酔のあと、傷あとがあまり残らない深さで、炭酸ガスレーザーを使用してほくろを削ります。これを深く広く削ると、ほくろは完全に除去できますが、傷あとが目立つようになります。また、浅すぎればほくろは再発してきます。無理をせずに傷あとがめだたないくらいで、削りを終了します。
    治療後、軟膏をぬり、早く皮膚が上皮化してくるようにするための創傷被覆材を貼ってもらいます。翌日から洗顔していただいたり、化粧をしていただいたりして構いません。
  2. 皮膚が治るまでに、約1~2週間くらいかかります。傷あとの赤みが引いてくるのには、約6か月かかりますが、個人差があります。

治療に痛みはありますか

痛みができるだけ少なくなるように、麻酔クリーム、注射などであらかじめ、麻酔をして治療を行います。

傷あとはどれくらい目立ちますか

手術治療では、縫合線は半年ほどは赤みが続きます。長い目でみて2年たてば縫合線も白くなり、かなり目立たなくなりますが個人差はあります。場合によっては、瘢痕形成をきたすこともあります。
レーザー治療でも深くけずると、ほくろはかなりとれますが、へこみが目立ちやすくなります。できるだけ早く傷が治癒するように、軟膏や創傷被覆材を用いて治療します。しかし、傷は1か月ほどで治癒しますが、目立ちにくくなるには、半年はかかります。個人差はあります。
レーザーで浅く削った場合は、1週間ほどで皮膚は上皮化し、1か月くらいでほとんどわからなくなりますが、個人差はあります。

レーザー治療は保険の適応になりますか

手術治療でも大きさが小さいものは保険適応にならないこともあります。またレーザー治療は保険適応にはなりません。詳細は診察の時にお尋ねください。

洗顔や入浴はいつからできますか

手術当日は濡らすことはできません。翌日からは、大きさ、治療方法によって異なりますが、シャワーは可能なことが多いです。レーザー治療の場合は、ほとんどの場合は翌日より、洗ったりすることはできます。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーはほくろや盛り上がりのあるしみ、首のいぼに有効です。

ほくろ|うえだ皮膚科内科八田院|名古屋市中川区