「大きいにきびがなかなか治らない」「繰り返してできてしまう」「生理前に悪化する」など、さまざまなお悩みがあります。当クリニックでは、お話を聞き、現在あるにきびを治すだけではなく、にきびができにくい皮膚を作り、にきびあとを治し、さらににきび跡も治すことを目標に治療を行っています。
にきびの種類について
Type
毛穴のつまり(白にきび・黒にきび)

白にきびは毛穴に皮脂が詰まり、先端が白くなっている状態です。白にきびの表面が酸化して、にきびのてっぺんが黒くなったのが黒にきびです。白にきびも黒にきびも、皮脂のつまりを取り除き、にきびの炎症を防ぐことが治療のポイントです。
赤にきび(炎症をおこしている)

にきび菌やマラセチアによって炎症を起こしている状態です。赤にきびの強い炎症が長引くと、周囲の皮下組織が障害を受け、にきび跡を残してしまいます。にきび跡を残さないよう、なるべく早めに炎症を抑える必要があります。
赤いにきびあと、赤みが少し落ち着いてきているにきび

炎症にきびが落ち着いても、まだ赤みがのこっている状態です。赤みに反応するレーザーや毛穴に効果的な治療を行います。
アクネフェイシャル/VビームII/フォト美肌治療(ノーリス)/美肌内服治療(トラネキサム酸 ビタミンB2 ビタミン C)
茶色のにきびあと
赤みのあるにきび跡が茶色のにきび跡に変化しています。
にきびの保険治療
Treatment
クリニックにお越しのにきびの患者さんの多くは10代から20代の若い患者さんですので、なるべく保険診療主体の治療を行っています。
保険診療の中でも、最近ではピーリング効果や殺菌効果の高いにきびの治療薬が多く販売されてきていますので、十分効果は期待できます。また、生理前に悪化する人などでは、漢方治療が有効な方も多いので、漢方診療も行っています。その他の内服薬でも効果の高いものがありますので、それらを組み合わせることもあります。
外用治療
アダパレン(ディフェリンゲル)
ディフェリン(一般名:アダパレン)は皮膚の角化(皮膚表面をつくる細胞が生まれてから角質になるまでの過程)を調節し、毛穴のつまりを改善します。くり返すニキビの原因となる毛穴のつまりを取り除くことによって、白ニキビと赤ニキビに効果を示します。特に白ニキビへの効果が高いです。根本的ににきびをできにくくする薬ですので、症状が落ち着いてきても、続けて外用する方がよいと思います。

過酸化ベンゾイル製剤(ベピオゲル)
ベピオの成分である過酸化ベンゾイルは、海外では50年以上前から使用されているニキビ治療薬です。過酸化ベンゾイルは薬剤耐性菌の報告がありません。そのため長期で使用しても安定した効果が期待でき、国内のニキビ治療のベースとなっているお薬です。ニキビの原因菌が増えるのを抑え、毛穴のつまりやコメド(面ぽう)も改善します。白ニキビ、黒ニキビや赤ニキビに効果が期待できます。

過酸化ベンゾイル+レチノイド配合剤(エピデュオゲル)
過エピデュオゲルは、ベピオゲル(BPO)とディフェリン(アダパレン)の2つの成分を配合したお薬です。
ベピオは、殺菌作用によってニキビの原因菌であるアクネ菌などを殺菌し、ピーリング作用(皮膚表面の古い角質を取り除く作用)によって毛穴のつまりを改善します。
ディフェリンは、皮膚の角化を調節し、毛穴のつまりを改善します。エピデュオゲルは国内の保険治療のなかで最も有効性に優れたお薬ですが、少し刺激性が強いです。高い治療効果を求める方に使用します

抗菌薬
赤ニキビに効果が期待できます。
ナジフロキサチン(アクアチムクリーム)
主成分ナジフロキサシンはニキビ菌や黄色ブドウ球菌のDNA複製を妨げることで殺菌効果を発揮します。
クリンダマイシン(ダラシンゲル)
細菌のたんぱく質合成を阻害することで、ニキビ菌や黄色ブドウ球菌に対し抗菌力を発揮します。
オゼノキサシン(ゼビアックスローション/ゼビアックスクリーム)
オゼノキサシンはニキビ菌や黄色ブドウ球菌のDNAの複製に必要なトボイソメラーゼⅣ及びDNAジャイレースを阻害することにより、それらの細菌の増殖を妨げ、殺菌効果を発揮します。
内服治療
- 抗菌薬
ミノマイシン…ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、細菌の蛋白質の合成を阻害することで、その増殖を抑えます。また、菌体外酵素の産生抑制、好中球遊走因子の抑制、活性酵素の抑制作用があるので炎症を抑える作用があり効果があります。副作用に、めまいや色素沈着があります。
ビブラマイシン…ニキビ治療の内服薬として知られるビブラマイシンもテトラサイクリン系の抗生物質でミノマイシンと同様に静菌作用と、抗炎症作用の両方を併せ持っており、ニキビの治療に使用します。
ロキシスロマイシン…ロキシスロマイシンはマクロライド系の抗菌薬で、アクネ菌の蛋白質合成を阻害することで、その増殖を抑えます(静菌作用)。 - 漢方薬
炎症を沈める、排膿する、便秘を改善する、血のめぐりをよくする、胃腸を整えるなどの成分の漢方薬を使用して、症状、体質に合った漢方薬を、2週間ごとに経過を観察しながら処方していきます。 - 内服(自費)イソトレチノイン
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体である合成レチノイドという成分でできた内服薬です。ニキビの原因であるアクネ菌の抗菌作用・抗炎症作用、皮脂の過剰な分泌を抑える作用があるため、他の治療で改善できなかった重度のニキビに効果を発揮します。
光線療法
オムニラックスは、皮膚の深くまでLEDの光エネルギーを伝え、にきびの炎症で広がった血管内の酸化ヘモグロビンに吸収され、その熱反応によりニキビによる赤みと炎症を抑えます。また、にきびの原因菌は、ポルフィリンを産生しながら炎症を進行させますが、その代謝物であるプロトポルフィリンを反応し、強い活性酸素を発生させ、にきび菌や皮脂腺に働きかけて、にきびを改善します。様々な効果のある保険適応治療です。

にきびの自由診療
Treatment
しかし、保険診療のみでは、十分効果の得られない患者さんもみえます。
そのような時は、直接皮膚に働きかけるような、ピーリング、レーザー治療、保険診療外の外用剤の使用などを、ご希望があれば行います。
患者さんひとりひとりに合った治療を、生活指導も含めて行っていますので、今までなかなか治らなかった方も是非ご相談ください。
コスメ・自宅治療薬
- ビタミンCローション 1,650円(税込)
過剰な皮脂分泌を抑制し、同時に活性酸素などのフリーラジカルを除去することにより、過酸化脂質の生成を防ぎ、にきびを改善します。

- DRX AZAクリーム(アゼライン酸高濃度配合クリーム) 1,760円(税込)
ニキビの原因となる毛穴のつまりに着目したクリームです。ニキビがちな肌の方のホームスキンケアで、べたつかずにしっとりとした使用感でお使い頂けます。

※アゼライン酸は海外で約30年前から使用されています。また、穀物に含まれており、食品として摂取している成分です。AZAクリアはにきびがちな肌の方に着目したスキンケア化粧品です。赤ら顔の方にも効果があります。
- 内服(自費)イソトレチノイン
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体である合成レチノイドという成分でできた内服薬です。ニキビの原因であるアクネ菌の抗菌作用・抗炎症作用、皮脂の過剰な分泌を抑える作用があるため、他の治療で改善できなかった重度のニキビに効果を発揮します。
施術
- ケミカルピーリング
グリコール酸やサリチル酸マクロゴールを用いて肌表面の不用な角質を除去し、毛穴の汚れをとりにきびができにくい皮膚を作ります。各種ピーリングの詳細はこちらをご覧ください。 - イオン導入
単純にぬるだけでは浸透しにくいビタミンCやE,トラネキサム酸などを電気の力を用いて肌の深部にまで効率よく浸透させる方法です。単純に塗る場合に比べて数十倍浸透すると言われています。各種導入治療の詳細はこちらをご覧ください。 - アクネフェイシャル
お肌全体にメラニン選択性の高いアレキサンドライトレーザーを顔全体に照射して肌の真皮内に働きかけ、毛穴の黒ずみ改善、にきび、にきび跡の改善、産毛の脱毛の効果をもたらします。アクネフェイシャルの詳細はこちらをご覧ください。 - VビームII
VbeamⅡとは医療用レーザー治療装置(血管腫治療用レーザー)のことです。ニキビ跡の治療にVビームが使用される理由は、ニキビ跡の赤みの原因が毛細血管によるものだからです。赤い色に反応するVビームによって毛細血管へ働きかけることでニキビ跡の赤みは改善されます。 さらに、皮脂腺にダメージを与えたり、アクネ菌を殺菌したりする働きもあります。ニキビができやすい肌にVビームを照射することで「皮脂の分泌」「アクネ菌の繁殖」を抑制する効果も期待できるため、肌質の改善も期待できます。VビームIIの詳細はこちらをご覧ください。
日常生活での注意
Point
不規則な食生活、紫外線、たばこ、ストレスは避けていただくようにお願いします。
- 不規則な食生活
糖質、炭水化物を多く摂取すると、毛穴の脂質の分解が妨げられ、にきびができやすくなります。 - 紫外線
アクネ菌は皮脂を栄養にして増殖し、ポルフィリンという物質を排出します。そのポルフィリンに紫外線が当たると、活性酸素が発生するため、さらに炎症が悪化し、色素沈着をきたします。 - たばこ
タバコはビタミンCを大量に消費してしまうため、皮膚はくすんだ感じになり、皮膚の殺菌効果も弱まり、にきびが悪化します。 - ストレス
ストレスは男性ホルモンの分泌を増やし、刺激された皮脂腺は皮脂の分泌を増やします。
よくあるご質問
FAQ
-
思春期になってにきびができやすくなるのはなぜですか
-
思春期ににきびができやすいのは、ホルモンの関係で皮脂腺の活動が活発になり、角質が厚くなり、毛穴がつまりやすくなってしまうためです。
VビームII(自費)
VビームIIとは医療用レーザー治療装置(血管腫治療用レーザー)のことです。主に赤アザ、赤ら顔の症状でお悩みの方に用いられます。にきびのまわりの毛細血管に効果があることで毛穴の赤みに効果があります
イオン導入(自費)
単純にぬるだけでは浸透しにくいビタミンCやE,トラネキサム酸、グリシルグリシンなどを電気の力を用いて肌の深部にまで効率よく浸透させる方法です。単純に塗る場合に比べて数十倍浸透すると言われています。